尋常性乾癬
乾癬とは慢性の皮膚疾患で人によって症状や発症する場所が異なりますが、典型的な症状として、皮膚から少し盛り上がった浸潤・肥厚や赤い発疹の紅斑の上に銀白色のフケのようなものである鱗屑が付着しぽろぽろと剥がれ落ちることが挙げられます。
病態
乾癬の皮膚では、炎症を起こす細胞が集まって活性化しているため、毛細血管が拡張し、皮膚が赤みを帯びた状態になります。また表皮の細胞が、健康な皮膚と比べて10倍以上の速度で生まれ変わり、生産が過剰な状態になっています。過剰に生産された表皮の細胞は厚く積み上がり、鱗屑となってはがれ落ちていきます。 国内の患者数は10万人(100人に1人)以上といわれ名前から『感染症』と誤解されがちですが人から人へうつる病気ではありません。
原因
乾癬の原因については色々な研究が進んでいますが、まだ解明されていません。
乾癬になりやすい体質があり、そこに感染症や精神的ストレス、薬剤などのさまざまな要因が加わって発症すると考えられています。糖尿病や脂質異常症(高脂血症)、肥満なども影響するといわれています。
治療
乾癬の治療方法は大きく分けて4つあります。
- 外用療法
- 光線療法
- 内服療法
- 生物学的製剤
患者さんの症状や生活様式に合わせて、これらの治療方法を単独で用いたり、組み合わせたりします。一般的には外用療法から始め、効果が十分でない場合に光線療法、内服療法、生物学的製剤へと進めていきます。
また、効果を引き上げ、副作用を抑えるためにこれらの治療を組み合わせる方法もあります。2つ以上を組み合わせるコンビネーション療法(A+B、A+B+C)、複数の治療方法を順次行うローテーション療法(A → B → C → A → B → …)、即効性の高い療法から副作用の低い療法へと移行していくシークエンシャル療法(A → A+B → B)などがあります。