掌蹠膿疱症
掌蹠膿疱症は、手のひらや足の裏に、左右対称性にうみ(膿疱)が繰り返しできる皮膚の病気です。
病態
膿疱とともに紅い斑点(紅斑)や鱗屑と呼ばれるカサカサしたフケのようなものがあらわれます。かぜや扁桃炎などの上気道炎症状などがきっかけとなって膿疱が出てくることがあります。症状としては、まず透明な小水疱や黄色い小膿疱ができます。これが次第に茶色ににごり、かさぶたになります。最終的にそのかさぶたがはがれ落ちます。この過程で紅斑が現れ、炎症反応もみられます。古い膿疱がなくなるとともに、新しい膿疱が現れ、これらが繰り返されます。予後は患者さんによって異なりますが、多くは平均3~7年で軽快すると言われています。
原因
扁桃炎、虫歯、副鼻腔炎、中耳炎などの病巣感染や、歯科金属などの金属アレルギーが関係していることもありますが、はっきりとした原因は現在のところ分かっていません。
治療・予防
掌蹠膿疱症の治療でまず試みるのは、薬や紫外線での治療です。また、病巣感染や金属アレルギーなどが明らかな場合は、それらを除去する治療を行う場合もあります。
薬による治療では、外用療法を中心に行います。外用療法であまり効果がない時などに内服療法を行います。予防で重要なのは禁煙とうがいです。
1.禁煙
掌蹠膿疱症の患者さんは喫煙者が多いことから、掌蹠膿疱症と喫煙は何らかの関係があると考えられています。実際の調査では、患者さんの85.5%(112/131名)が喫煙者であったという結果が得られています。健康のためにも禁煙しましょう。
2.うがい
掌蹠膿疱症はかぜや扁桃炎がきっかけとなって発症することがあります。かぜなどをひかないよう日頃からうがいをするようにしましょう。