脂漏性皮膚炎
(はじめに)脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)をご存知でしょうか?学術的には「皮脂の多い好発部位に発生する炎症性病変」といわれています。つまり皮脂がたくさん出る部位とは、頭、顔面、背部、腋、前胸部、鼠径部などですが、そこから発生した皮脂が細菌、カビ、紫外線などにより分解されるときの反応として湿疹、皮膚炎ができると考えられています。
(分類) 乳児型と成人型があります。特徴として、乳児型は生後2週間から3週間後に発症し4か月から8か月でなおることがおおいと言われています。それに対し、成人型は、思春期以降に発症し長期間持続することが多いです。
(原因)皮脂の分泌は思春期が最大であると言われていますが、脂漏性皮膚炎はそれより10年ほど遅れてやってきます。皮脂を皮膚に常在する真菌(Malassez furfur,Malassea globasaなどの)が分解することや、紫外線が分解する反応で生じると考え得られています。
(症状)皮疹は皮脂分泌が多い部位である頭部、眉間、鼻周囲、前胸正中部、上背部、頭髪の生えぎわに沿った部、耳介後方、外耳道内、頭部、顔面に落屑を伴う紅斑で、左右対称性はありません。掻痒の程度は様々です。乳児型では、前額部から頭部に強い発疹が出現し、乳児を過ぎると自然に軽快することがほとんどです。成人型では、眉毛部・鼻翼部・口囲に発疹が出現し、冬に悪化しやすいのが特徴と言えるでしょう。
(検査)真菌検査(治療)ステロイド外用薬、抗真菌薬、ビタミンB2,B6の内服、抗アレルギー薬など